五月人形の鎧(よろい)や兜(かぶと)にテーマがあるとするならば、
『強さ』『勇ましさ』『かっこよさ』という感じではないでしょうか?
『成長を祈願するお守り』であり、『誕生した喜びの証』として
端午の節句に飾られる、男の子(というより男)のためのモノですから
そういったテーマになることは当然かもしれません。
女性だけでご来店していただくお客さまの場合、
『どれがいいんだろう?』と選ぶのが難しいのは、
まずこのテーマを理解するのが難しいからだともいわれています。最終的に
『なんでこんな怖いモノうちに飾んなきゃいけないの?』
『カタチがあればなんでもいいわ』
『いらないから現金でちょうだい…』となってしまい
男児誕生を家族(もちろん両家のおじいちゃん、おばあちゃんも含む)で祝う
『端午の節句』の意義さえ放棄してしまう方も、ときどきいらっしゃいます。
…ただその光景、人形屋さんたちは本当に悲しくなるんです(涙)。
そんな背景もあるからか(?)、『やさしさ』や『かわいらしさ』という
女性にも受け入れやすいテーマも兼ね備えた人形が『子供大将飾り』なのです。
基本は、鎧着に身をつつみ、お顔がついた子供武者の姿。
こちらは人形師『松崎幸一光』の子供大将(伊達政宗タイプ)です。

人形単品の高さ/33cm
注目はやはり『お顔の表情』でしょう。

下唇をかんで真一文字にむすんだ口元…絶妙です。
鎧や兜の作りも丁寧さが感じられるので、男性の目からみても、
『これならいいんじゃない?』と納得していただけると思います。
そんな子供大将も、人形作家によりかなりの違いがあるんです。
人形工房『壱三』の子供大将です。

前出の『松崎幸一光>』氏の子供大将とはまた違った雰囲気です。
特筆すべき点は、甲冑の完成度の高さ。
なぜならその製作を手がけているのは甲冑師『鈴甲子雄山』なんですから!!
威糸(おどしいと)の細さといい、各パーツのこだわりといい神業レベル。
五月人形もおひなさま同様に、時期がきたらしまうモノなんです…が、
当店の場合、こちらに注目したお客さまのほとんどが『ずっと飾っておきたい!!』と
ケース(別売)付きでご購入される方も多いです。
肝心のお顔はこんな感じ。

丹精込めて顔の表情を描いています。
一筆一筆手書きのため、それぞれに違った個性が感じられます。
材質による素朴な味わいと、表情のかわいらしさが、
より工芸品としての深みを感じさせてくれるコト間違いなし。
戦国武将タイプもありますので、そちらも必見ですよ。
ぜひご来店の際はお見逃しなく、かなり癒しの要素も感じられますので。