五月人形|平安道斎
京甲冑の流れを汲んだ、雅な甲冑。
鈴甲子雄山 最高級シリーズ「平安道斎」
平安道斎は、三代目鈴甲子雄山・鈴木道男氏の時代に生まれた、鈴甲子の最高級甲冑シリーズです。京甲冑の伝統的な装飾技法を取り入れながら、独自の造形と意匠を追求してきました。
純金箔押しによる小札板の輝き、工房独自の飾り金具、細部まで手をかけた仕立て。華やかさの中にも、素材や造形へのこだわりが息づいています。
とりわけ飾り金具には、龍や七福神、勝ち虫など、さまざまな題材が用いられています。吉祥の意味を持つものから親しみのある図案まで、作品ごとに異なる表情を楽しめるのも魅力です。
3つの特徴
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シリーズ紹介
三代目鈴甲子雄山・鈴木道男氏は、和紙や革を用いる江戸甲冑の製法に加え、純金箔押しや装飾金具を特徴とする京甲冑の技法にも通じた甲冑師でした。
その技術を背景に生まれたのが「平安道斎」です。京甲冑の雅な美しさを取り入れながら、独自の装飾表現を発展させ、その仕事は現在の鈴甲子工房にも受け継がれています。
01 作風|京甲冑の雅な美しさ
五月人形の甲冑には、実物の武具を手本としたものから、装飾性を高めたものまで、さまざまな作風があります。
平安道斎は、金箔や飾り金具を用いた華やかな表現を特徴としています。甲冑全体の造形や色彩との調和を大切にしながら、伝統的な技法を生かした格調高い仕立てを追求してきました。
また、伝統的な意匠をそのまま踏襲するのではなく、題材や装飾の組み合わせに独自の工夫を加えていることも特徴です。
02 純金箔押し|輝きが、時を超える。
平安道斎を代表する技法のひとつが、小札板に施す純金箔押しです。
小札板とは、兜の錣(しころ)や鎧の各部を構成する板のこと。平安道斎では厚金を用い、手にしたときにも重厚感が感じられる仕立てとなっています。
その表面に施された純金箔は、金ならではの華やかな輝きを放ちます。純金は酸化や変色に強く、長い年月を経ても色褪せにくいことも魅力です。
威糸の間からのぞく金箔の輝きが、甲冑全体に格調高い華やかさを与えています。
純金箔押しとは、純金を1万分の1〜2ミリほどの薄さにまで打ち延ばした「箔」を、素材の表面に貼り付ける装飾技法です。
わずかな風でも舞い上がり、破れてしまうほど繊細な金箔を扱うため、作業には熟練の技術と細心の注意が求められます。
金メッキや金色の塗装とは異なる、箔ならではの質感も特徴です。
石川県金沢市でつくられる金箔は「金沢箔」と呼ばれ、伝統的な金箔づくりの技術が受け継がれています。
03 飾り金具|独自の意匠を楽しむ
平安道斎の大きな特徴が、工房独自に考案された飾り金具です。
龍や七福神、勝ち虫と呼ばれるトンボ、招き猫など、題材はさまざま。伝統的な吉祥文様だけでなく、写実的な表現や親しみのあるモチーフも取り入れています。
それらを甲冑の装飾にふさわしい形へと図案化し、鍬形台や吹返しなどに配しています。例えば龍を題材とした兜では、正面の鍬形台と両脇の吹返しに異なる姿の龍をあしらうなど、細部まで工夫が凝らされています。
一つひとつの金具に目を向けると、作品ごとに異なる意匠や、そこに込められた願いを感じることができます。
鯉徳から見る、平安道斎
私たちが平安道斎に魅力を感じる理由のひとつが、工房独自の飾り金具です。七福神や勝ち虫など、縁起のよい題材を甲冑の意匠に取り入れる。その発想には、子どもの健やかな成長と、強くたくましく育ってほしいという願いが重なります。
こうした意匠は、祝いの節句人形としての趣があり、鯉徳が大切にしている考え方にも通じています。
鯉徳では、甲冑の華やかさや重厚感に見合うよう、飾り台や屏風にも存在感と品格のあるものを選んでいます。装飾の美しさを生かしながら、力強く、格調ある一式の節句飾りとして提案しています。