衣装着ひな人形えらび その2

この記事でわかること

  • 十二単(じゅうにひとえ)の「重ね」が持つ意味
  • 正面からは見えない部分に現れる職人の仕事
  • 価格差が生まれる理由の一例
  • 鯉徳が考える美しい着付けの見方

では早速続きを。

違いその3.十二単(じゅうにひとえ)の重ねの部分

着物は一番上に着ている唐衣(からぎぬ)にまず目がいきますが、 その下の「重ね」と呼ばれる部分にこそ違いがみられます。

まずはこちら。

お姫さまをやや上から見たところです。 (着付け: 眼楽亭富久月 作)

十二単の重ね

袖口の部分、つまり重ねの部分が下へ行くたびに色彩を変化させているのがわかります。

しかもこの色の重なりは、後ろの裾口部分にまで連動しています。

そのため正面だけでなく、後ろ姿まで美しく見せる着付けとなっています。

正面から見た華やかさだけではなく、
後ろ姿まで意識して着付けられているか。

そこに人形師のこだわりや技術の差が表れます。

続いてこちら。

重ねの省略例

どうでしょう? 袖口部分の色彩の変化は多少感じられるものの、 後ろ姿を見ると違いがよくわかります。

正面からは見えない部分の工程が省略されているため、 先ほどの人形とは仕上がりに差が生まれます。

このタイプはケース飾りや収納飾りなど、 比較的お求めやすい価格帯のお雛さまに見られることがあります。

伝統工芸士と呼ばれる方々が製作する人形では、 あまり見かけない仕立てです。

作業工程を省いた人形が悪いというわけではありません。

大切なのは、その仕様に見合った価格で販売されているかどうかです。

人形の違いが分かりにくいことを利用して、 適正とは言えない価格で販売されているケースもありますので、 購入時には注意したいポイントです。

ちなみにこちらは、 重ねの美しさが絶品と称される 清水久遊 作のお雛さま。

清水久遊の重ね

幾重にも重なる色彩の美しさはもちろん、 全体の調和も見事です。


とまあ、こんな感じではありますが、 ざっと違いをご紹介させてもらいました。

前回のブログでもあるように、 今回ご紹介した3つだけが見るべきポイントではありません。

興味があれば、どんどん店員さんに聞いてみて下さい。

そして、これぞというお人形にめぐり合って下さいね。

それでは。