雛人形 / 小倉草園 / 麻衣雛 津軽こぎん刺しL(鯉徳オリジナル)




東北唯一のひな人形工房と津軽こぎん刺しの共演
ニッポンの伝統工芸品やそれらを生みだす職人技には、世界に通用するものが数多く存在します。それは風土や歴史に支えられながら地域に密着し丁寧に作り出される品々だからこそ、今もなお大切に伝え継がれてきているのです。
私たちはニッポンの手仕事品を積極的に節句品に取り入れ紹介することで、より多くの皆さまに新しい価値感や気づき、そして満足度を提供していきたいと考えます。
青森県弘前市で出会った手仕事の逸品「津軽こぎん刺し」。江戸時代の頃より伝わるこの伝統工芸品を衣装に用いた"麻衣雛(まいびな)"のご紹介です。
奇をてらわぬ丁寧な手仕事







人形制作は名匠 小倉草園によるもの。東北唯一の雛人形工房として、伝統技法を守りながら、奇をてらわぬ丁寧な作風に定評があります。
本製品は同工房が誇る「京雛小京都」仕立のおひなさまです。みちのくの小京都とも称される秋田県 角館。その町並みから受ける印象を人形制作の礎とした京雛小京都シリーズは草園の真骨頂。洗練された色合わせ、厳選された素材、流れるような着せつけと高い美意識をもって制作されています。
見えないところへの心遣い
お人形の芯となる見えない胴体部分には"桐塑(とうそ)"を使用しています。桐塑とは桐のおがくずに糊を混ぜて作る粘土のこと。その粘土を型に詰め、抜き取り、乾燥させ、固めるといった工程を経てお人形の胴体にしていきます。

ウレタン樹脂や発泡スチロールの胴体とは異なり、劣化や衣装の着崩れもしにくい品質であり、なおかつ最終的にお人形を供養(焼却)する際、有害物質が出ないようにとの環境への配慮から天然素材の桐塑にこだわりました。
衣装へのこだわり


男雛・女雛ともに江戸時代の頃より青森県津軽に伝わる刺し子技法の一つ"こぎん刺し"を衣装に選択。軽やかな印象でありながらも、そのたたずまいにどこか温かみと上品さを漂わせるこぎん刺し。それは過去から受け継いだ正しい技法と法則にのっとり、今なお一針一針職人さんの丁寧な手仕事によって生みだされているからに他なりません。
制作は昭和37年に津軽こぎんの伝承と普及、そして販売を目的に設立された 弘前こぎん研究所 に依頼しています。

素朴な麻の風合いやモドコ(こぎん刺しの模様)を引き立たせるために、極力色数を抑え穏やかな雰囲気と飽きのこないシンプルさを意識した作りとなっています。
お顔だち


男雛・女雛ともに白さ際だつ肌が特徴的。女姫の"お歯黒(既婚女性の歯を黒く染める化粧法)"までを表現する細やかな筆使いに、職人のこだわりが感じられます。
主張しすぎず主張して、主役をより美しく
人形をより美しく際立たせるために存在する周辺のお道具類。なかでも屏風や飾台は、全体のイメージを左右するほど重要な役割を担っています。
「主役の存在感を損なわずして、より魅力的な空間を演出するためのものづくりを」
そんなテーマと向き合いながら、職人は日々絵柄の構図や配色、そして質感に至るまで試行錯誤を繰り返し、卓越した技術をもって美しい製品をつくり続けています。


魔法のような金屏風。アクセントも効果的。
金屏風はひな人形でも五月人形でも定番中の定番商品。シンプルさゆえに、作りの甘い人形は粗が目立つように見え、逆に丁寧につくられた人形はその美しさがより際立つという魔法のような屏風でもあります。
この金屏風は、より上品で落ち着いた雰囲気を出すために、金紙の上に絹地を敷いた"裏箔(うらはく)"という手法を取り入れ、金特有の色調をあえて和らげて制作しました。
また屏風の開閉部分には金具の丁番を一切使わず、和紙でできた"羽根"とよばれる和紙丁番を使用する、いわば職人の伝統技術でつくる制作工程(本仕立)にこだわりました。

開閉部に切込が入っていて、両面に開く仕組みが特徴です。継ぎ目に隙間ができないので、見た目にもすっきりとした印象となります。職人の街、墨田区にある老舗屏風工房の片岡さんが生みだす技ありの工芸品です。

お道具には"木製三宝(さんぽう)と貝桶(かいおけ)"をご用意しました。江戸時代には嫁入り道具の一つとされ、現在は雛道具の定番アイテムとなっています。こちらは塗りと蒔絵の美しさに定評のある静岡県産の駿河雛具を用意しています。
※本年度よりこの道具に変更となりました。三宝にのせた花と花瓶が、全体表示写真のものとは異なりますことをご了承願います。

桜橘は「さりげなく良いものを」を信条とする大正11年創業の節句人形造花工房、岡半が制作。染色、切り出し、組み上げに至るその全ての工程を一貫して手作業にこだわり作られています。
同社の得意とする花びらや葉の絶妙な色合いは、古来より桜を愛でる日本人の目で判断しているからこそ出せる風合いです。

電池式のLEDコードレス雪洞(ぼんぼり)。ほのかな灯りが人形を優しく包み込みます。火袋には満開の桜を描いています。

手仕事の温かさとニッポンの職人技が堪能できる麻衣雛でお部屋を彩り、大人になっても忘れることのないひなまつりをぜひご家族そろってお楽しみ下さい。
商品詳細
作者・工房 | 小倉 草園 |
生産地 | 秋田 |
サイズ | 間口75 × 奥行45 × 高さ37 cm |
人形 | ■津軽こぎん刺し(麻製) ■桐塑 ■木手 |
屏風 | 本仕立三曲裏箔屏風 |
飾台 | 木製黒塗平台 |
道具 | 木製三宝貝桶飾り(本金蒔絵) |
花類 | 桜橘 |
雪洞 | LEDコードレス雪洞(電池付) |
付属品 | ■お手入れセット(毛バタキ・手袋・クロス) ■作者立札 |
注意事項 | ■手作りのためサイズや形状、色合いが各々多少異なります。 ■ご使用のモニターにより、実際の色と異なって見える場合がございます。 |
作者・工房について