クリムト『接吻』

象徴主義、アール・ヌーヴォー、そして日本の浮世絵にも影響を受けた画家、グスタフ・クリムト（1862-1918）の傑作 "接吻"。幾何学的なパターンと色とりどりの花のモチーフで彩り、装飾には金箔をも駆使して描かれています。

この作品は現在、ベルヴェデーレ宮殿オーストリア絵画館（オーストリア・ギャラリー）に所蔵されています。

名画に融合する伝統工芸の美

360度どこから眺めても美しい造形美。女雛の後ろ姿は、かさねの色彩が際立つ長い尾の着付けで、十二単の写実的な美しさを追求しています。

衣装へのこだわり

絵画に見られる黄・黒・緑の色彩を基調とし、花々の絵柄を取り入れた衣装を制作しました。

画家クリムトが影響を受けたアール・ヌーヴォーの様式は、草花などの有機的なモチーフに由来しており、特に曲線を多用した装飾が特徴的です。

この様式が「ニッポンの有職文様（※1）」の美的要素と驚くほど酷似していることに注目し、横山さんは男雛の衣裳に "雲立涌（くもたてわく）"の有職文様を選びました。文化の背景は異なるものの、その共通項に着目した美を表現するアイデアは、まさにニッポンの伝統工芸士ならではの高度な遊び心を感じさせます。

（※1）有職 / ゆうしょく・ゆうそく
平安時代より公家の邸宅の内部・調度品・服飾品などの装飾に使われていた文様で、幾何学的な柄が繰り返し紋様になっているのが特徴。雲立涌柄は有職文様のひとつで、雲気(水蒸気)が立ち昇るさまを図案化したものです。雲気上昇から転じて"運気上昇"の願いが込められた吉祥紋様とされています。

お顔だち

幸せそうな笑みをたたえた、上品でかわいらしい表情の男雛と女雛。優しくお子さまの成長を見守り続けてくれることでしょう。

※ご確認願います
店頭にてご案内しております本作につきましては、オンラインショップ掲載のお顔とは種類が異なるため、価格も異なっております。何卒ご理解賜りますよう、あらかじめご了承ください。

主役をより美しく演出

人形をより美しく、そして敬意をもって飾るために欠かせないのが周辺のお道具類。なかでも屏風や飾り台は単なる背景ではなく、主役を引き立て、空間全体に調和と格式をもたらす大切な存在です。

「主役の存在感を損なわず、より魅力的な空間を演出するためのものづくりを」

この想いを胸に、職人たちは日々、絵柄の構図や配色、質感に至るまで研ぎ澄まされた技術を注ぎ込み、より美しい製品を生み出し続けています。

絵画の世界観同様の空間演出を試み、金箔をつかった屏風で全体を包み込みました。一般的な金屏風とは異なる大小の金箔を散らした表情豊かな質感が、クリムト作風の雰囲気を漂わせます。

木製の飾台は洗練された薄型仕上げに。ウォールナット調の色味が味わい深い仕上がりです。

アレンジメントフラワーを中央に配置しました。花器には轆轤で丸く挽いた木製の土台を取り入れています。※草花の大きさ・色合いには若干の個体差がございます。

電池式のLEDコードレス燭台（しょくだい）。すっきりとした印象で、雛飾りがよりモダンに見えると好評です。本体の土台には木を、支柱には真鍮を使用し雰囲気のある仕上がりです。

家族がともに節句を祝う時間は、感謝や愛情を育むだけでなく、教養や美意識を伝える特別な機会でもあります。美しい人形を通じて親子の絆がより深まり、飾るたびに家族の思い出が新たな彩りで紡がれていきます。

世界基準の色彩美と、ニッポンの職人技が融合した特別な節句人形で、ひなまつりを家族のかけがえのない記憶へと変えてみませんか？