島根にまで来て考えてみた #4
島根に来たからには訪れてみたかった場所。
足立美術館
横山大観をはじめとする
近代日本画のコレクションでも知られていますが、
やはり一度見てみたかったのが日本庭園です。
いや〜、美しい。
手入れされた木々、石、白砂、
その向こうに見える山々…。
どこを見ても本当によくできています。
というか、
できすぎています。
よくできた「自然」
庭を眺めていると、
少しずつ人の手が気になってきます。
木は伸びたままではなく、枝が整えられている。
石もたまたまそこに転がっているわけではなさそう。
白砂はきれいに整えられ、
木も石も、それぞれの場所に収まっています。
もちろん、日本庭園なのだから当たり前ですが。
一つずつ注意して見てみると、
目の前にあるこの「自然」には
驚くほど人の手が入っています。
言うならば、
ものすごく人工的につくられた「自然」です。
ところが不思議なもので、
人工物を眺めている感じがしません。
見え方をつくる
どの木を見せるのか。
どこに石を置くのか。
どこに水を配するのか。
そしてどこを空けるのか。
自然をつくっているというより、
自然の「見え方」を編集している。
向こうに見える山まで取り込まれ、
庭から眺めるとひと続きの景色にも見えてきます。
人がつくった庭と、その向こうに広がる本当の自然。
その境目があいまいになり、若干脳がバグります。
どこからどう見せるか
館内の窓枠によって景色が切り取られると、
さっきまで歩きながら見ていた庭が、
一枚の絵のように見えてきました。
庭そのものは変わっていません。
変わったのは、見る場所と切り取られる範囲だけ。
それだけで、同じ風景が違うものに見えてくる。
何をどう配置させるかだけではなく、
どこから見たとき、どう見えるかまで考えられている。
一体どこまで計算されているのか…恐れ入ります。
何を見ているのだろう
見れば見るほど謎が深まる日本庭園。
これだけ人の手が入っているのに、
不思議と人の手ばかりが前には出てきません。
自然そのものというより、
人が都合よく思い描く、美しい自然の姿。
そんなものを見せられていたのかもしれません。
ちなみに今回は、
人形のことは考えませんでした。
たぶん…。