
羽子板の違いと選び方
女児が迎える初めてのお正月。いざ羽子板を購入する際、まずはその種類の多さに驚かれることでしょう。
見た目の大きさ以外、どこに違いがあり価格差がうまれるのか、それぞれチェックする場所を知り、後悔のない羽子板選びをお楽しみくださいませ。
制作工程(技術)の違い
羽子板はその制作工程の違いにより、"押絵"と"木目込"の2種類に大別されます。このいずれかによって、価格は大きく異なります。

型紙と布地で綿を挟み、それを糊付けした細かなパーツをいくつも作り、それらをひとつひとつ組み合わせて制作していきます。細かなピースをひとつずつ組み合わせていくジグソーパズルに近いイメージです。パーツの膨らませ方やその総数で、仕上がりの雰囲気も変わります。
土台に筋彫りをほどこし、そこへ衣装となる生地を貼り込んで制作していきます。木目込とはいうものの、現在土台のほとんどは発泡スチロール製です。
パーツを作る手間や、使用する部品数の違いにより、押絵の方が制作に手間がかかり高価となります。ただし完成した両者を比較した場合、仕上がりの美しさは価格差以上の違いがあります。
形状(デザイン)の違い
形状の違いは"標準型"と"振り袖型"に大別されます。

板の中にパーツがきっちりと収まる形状。定番品。
振袖の裾部分に広がりをみせる優美な形状。
それぞれお好みの形状をお選び下さい。ともにお顔の大きさや衣装のバランスをご覧いただき、見た目に違和感のない羽子板をお選び下さいませ。パーツ数が増える分だけ、振り袖型の方が高価となる場合が多くなります。
3.面相の違い
お顔は面相(めんそう)といいます。面相の仕上げには"手書き"と"印刷"があります。色や線の違いでその雰囲気が変わります。

いくつもの色を塗り重ねた色彩、何本もの筆を巧みに使い分け描く繊細な線により、手書きのほうが表現力豊かな仕上がりになります。
衣装(原材料)の違い
衣装に使用される布地の織り方や加工法で、羽子板の雰囲気・価格は変わります。

木目込羽子板の多くは化学繊維が使用されており、低価格商品として流通しています。
ケースの違い
羽子板はケースに入れて飾られる場合も多いですが、その材質によっても価格は変わります。
木製が一般的で、その原材料にはアガチスなどが使われているようです。原材料が"黒檀(こくたん)""檜(ひのき)"などの銘木となると価格は一気に上昇します。一方で低価格品には"樹脂"が使われていることもあります。
"黒檀塗"や"花梨塗"といった表記もよく見られますが、これは木の材質が黒檀や花梨ではなく、一般的な木製ケースに塗装をする際に黒檀や花梨の風合いを模写した"塗装技術"のことをさします。
鯉徳では店頭販売に限り、お客さまの好みや予算に応じてケースを自由にお選びいただけますので、ご来店の際にはお気軽にご相談下さい。