雛人形 / 望月龍翠 / 有職雛 正絹(緑×朱)

通常価格 238,000 (税込)単価  あたり 

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望月龍翠作 親王飾 有職雛(緑×朱) 望月龍翠作 親王飾 有職雛(緑×朱)

流行に左右されない
ひな人形のクラシックスタイル


上品な輝きを放つ本仕立ての"金屏風"。艷やかに深い "漆黒の飾り台"。空間をはんなりと照らす丸いかたちの"雪洞(ぼんぼり)"。京都御所の様式を模した"桜橘"。そして、ひな人形が身にまとう衣裳は、日本が誇る美しき文様の極み"有職"。


定番にして普遍的なひな人形のクラシックスタイル。その完成された美しさは堂々とした風格を放ち、まさに神聖なお守りとしての存在感を豊かに示しています。人形制作担当は、業界屈指の技巧派として名高い経済産業大臣指定伝統工芸士の望月龍翠です。

職人技がひかる、これぞジャパンクオリティ


望月龍翠 親王飾 有職雛(緑×朱)望月龍翠 親王飾 有職雛(緑×朱)望月龍翠 親王飾 有職雛(緑×朱)望月龍翠 親王飾 有職雛(緑×朱)望月龍翠 親王飾 有職雛(緑×朱)望月龍翠 親王飾 有職雛(緑×朱)望月龍翠 親王飾 有職雛(緑×朱)

美しいひな人形の条件ともいえる左右対称の造形美を意識し、かっちりと丁寧に衣装を着せ付ける望月龍翠の技術力は業界屈指。


丁寧な着付けだけにとどまらず、男雛は肩・腕・袖口を直線的なシルエットにし、スマートかつ男性的な力強さを表現。女雛はなで肩で、袖口はほどよく丸みを持たせたシルエットにし、繊細かつしなやかな女性らしさを表現しています。


また女雛の後ろ姿は、重なる衣装の一枚一枚の色彩が美しく見えるような着付けにこだわり、写実的な十二単の美しさを追求しています。

見えないところへの心遣い

胴体部分において他の職人と大きく異なるのは、腕の骨格となる針金の太さ。胴体に衣装を着せ付けた後、その腕を瞬時に折り曲げる工程(=腕折り/かいなおり)を経て人形の造形美は決定しますが、龍翠は太めの針金を使用しているため、触ったときの感触はもちろん、見た目にも着崩れをおこす気配のないかちっとした仕上がりを可能にしています。

望月龍翠 胴体 こだわり

▲ 指先だけでは簡単に曲がらない太さの針金。

衣装へのこだわり


望月龍翠 親王飾 有職雛(緑×朱)望月龍翠 親王飾 有職雛(緑×朱)

男雛の衣装は"雲立涌(くもたてわく)"とよばれる古典柄。雲立涌柄は有職文様(※1)のひとつで、雲気(水蒸気)が立ち昇るさまを図案化したものです。雲気上昇から転じて"運気上昇"の願いが込められた吉祥紋様とされています。


また、雲立涌の上には"対い鶴"の紋様を配しました。二羽の鶴が上下で向かい合うデザインは"夫婦和合" "子孫繁栄"の意味をもつ、縁起の良い構図になっています。


シンプルなデザインの生地を用いたお人形は、派手な柄の生地を使ったものよりもボディラインが目立つのでなかなかごまかしが効きません。龍翠は出来上がりのシルエットに自信があるからこそ、積極的にこの有職衣装を用いています。


(※1)有職 / ゆうしょく・ゆうそく
平安時代より公家の邸宅の内部・調度品・服飾品などの装飾に使われていた文様で、幾何学的な柄が繰り返し紋様になっているのが特徴。見た目の派手さはなくも精緻な模様を織り出しているため上品さがあり、 時代に流されない普遍的な美しさを兼ね備える完成されたデザインともいえるでしょう。


お顔だち

望月龍翠 熊倉基安 有職雛(緑×朱)望月龍翠 熊倉基安 有職雛(緑×朱)望月龍翠 熊倉基安 有職雛(緑×朱)望月龍翠 熊倉基安 有職雛(緑×朱)

鼻筋が通り、目鼻立ちのくっきりした男雛と女雛のお顔。キュッと引き締まった口元もあいまって、上品で大人っぽい雰囲気に仕上がっています。


主張しすぎず主張して、主役をより美しく


人形をより美しく際立たせるために存在する周辺のお道具類。なかでも屏風や飾台は、全体のイメージを左右するほど重要な役割を担っています。


「主役の存在感を損なわずして、より魅力的な空間を演出するためのものづくりを」


そんなテーマと向き合いながら、職人は日々絵柄の構図や配色、そして質感に至るまで試行錯誤を繰り返し、卓越した技術をもって美しい製品をつくり続けています。

本仕立金屏風セット本仕立金屏風セット

祝事には欠かせない定番アイテムのひとつ金屏風。シンプルデザインであるがゆえに、丁寧につくられた人形はその美しさがより際立つように見え、逆に作り込みの甘い人形は粗が目立ちやすくなるという、真実の鏡のような不思議な力が宿っています。


本品はより上品で落ち着いた雰囲気を出すために、金紙の上に絹地を敷いた"裏箔(うらはく)"という手法を取り入れ、金特有の色調をあえて和らげて制作しています。


また、開閉部分には金具を一切使わず、和紙でできた"羽根"とよばれる和紙丁番を使用する、いわば職人の伝統技術でつくる制作工程(本仕立)にこだわりました。



本仕立屏風 紙丁番

開閉部に切込が入っていて、両面に開く仕組みが特徴です。継ぎ目に隙間ができないので、見た目にもすっきりとした印象となります。職人の街、墨田区にある老舗屏風工房の片岡さんが生みだす技ありの工芸品です。

貝桶 蒔絵

お道具には貝桶(かいおけ)をご用意しました。江戸時代には嫁入り道具の一つとされ、現在は雛道具の定番アイテムとなっています。立体的な梅の絵柄は、本金を用いた蒔絵(まきえ)の技法で描かれています。


岡半 桜橘

京都御所 紫宸殿にある左近の桜、右近の橘を模した桜橘。桜は春を代表する花でもあり日本を代表する花。橘は常緑樹で冬に黄金色の実がつき、不老長寿の木とされているため、両木ともひな人形を彩るにふさわしい花飾りです。


制作は「さりげなく良いものを」を信条とする大正11年創業の節句人形造花工房、岡半。染色、切り出し、組み上げに至るその全ての工程を一貫して手作業にこだわり作られています。


同社の得意とする花びらや葉の絶妙な色合いは、古来より自然の景色を愛でる日本人の目で判断しているからこそ出せる風合いです。


雪洞 燭台コードレス

電池式の木製LEDコードレス雪洞(ぼんぼり)。ほのかな灯りが人形を優しく包み込みます。火袋には手作業で桜を描き、灯りをつけなくともあたたかい存在感があります。また、足元の台座部分に筋彫を入れ、日本の国花である菊が格式高く表現されています。

 

提灯(ちょうちん)の産地として有名な岐阜県では雪洞生産も盛んで、本製品を手がける岐阜市内の工房さんは明治25年から続く老舗。脇役ながらも本物志向にこだわり、台座には北海道産のサクラ、輪と骨にはホウの木と、現在主流となっているプラスチックではなく天然の"木製品"を使用しています。湾曲している骨部は、熱の力を利用しながら丁寧に手作業で曲げるという念の入れよう。



細部に至るまで心配りが感じられるニッポンのものづくりの真髄と、伝統工芸品の普遍的な美しさが感じられる有職雛を傍に、末永くひなまつりをお楽しみ下さいませ。



商品詳細

作者・工房 望月龍翠
生産地 静岡
サイズ 間口85 × 奥行45 × 高さ37 cm
人形 ■正絹 有職文様 ■藁胴 ■木手
屏風 本仕立三曲裏箔屏風
飾台 木製黒塗平台
道具 木製貝桶(本金梅蒔絵)
花類 桜橘
雪洞 木製LEDコードレス雪洞(電池付)
付属品 ■お手入れセット(毛バタキ・手袋・クロス)
■作者立札
注意事項 ■手作りのためサイズや形状、色合いが各々多少異なります。
■ご使用のモニターにより、実際の色と異なって見える場合がございます。


作者・工房について

望月龍翠ロゴ


望月龍翠 ■経済産業大臣指定伝統工芸士

1964年静岡生まれ。本名"望月竜介"。18歳から埼玉県の老舗人形工房にてひな人形作りの基礎を学び、のちに人形師である父、幸彦のもと人形製作を始める。平成15年、経済産業大臣指定伝統工芸士の認定を受ける。今後の節句人形業界を担う、若手実力派として注目を集める。 ▶インタビューページへ