羽子板 / 二風谷イタ アイヌ文様A-10 / シナ材
北海道で唯一、経済産業大臣が指定した伝統的工芸品 "二風谷イタ"ならびに"二風谷アットゥシ"の技法を取り入れ制作した羽子板です。
一線一線手彫で描いたアイヌ文様は、二風谷イタの制作技法を取り入れました。力強さと繊細さが同居した至高の逸品です。材質は沙流川銘木のシナノキで、耐久性を高めるために3年間乾燥させたものを使用。表面にはミツバチの巣から抽出した自然素材の"蜜蝋仕上げ"をほどこしました。皮膜をつくり、適度なツヤと防腐の作用を発揮してくれます。
二風谷イタ
二風谷イタとはアイヌ文化発祥の地である北海道沙流郡平取町で古くから制作されてきたアイヌの人々が使う木製のお盆のこと。その独特な文様には"身体の中に侵入しようとする悪い霊から身を守る"との意味がこめられており、そのなかで代表的なモチーフとして4つのノカ(=形)が特徴としてあげられます。
アイウシノカ(トゲのある形)
二風谷イタは、これらの伝統的なモチーフに、受け継がれてきた歴史と作家の個性が組み合わされて生まれます。
羽子板の手持ち部分には二風谷アットゥシを使用。またアクセントとして革紐を巻いています。
二風谷アットゥシ
二風谷アットゥシとはアイヌの人々が使う反物のこと。冬場に氷点下20℃以下まで冷え込む厳しい環境を生き抜くためにアイヌ人が考え出した反物で、オヒョウ等の樹皮の内皮から作った糸を用いて機織してつくられます。樹皮のみが原料の織物は世界的にも珍しい存在です。
1.オヒョウの樹皮を煮て水に浸し、天日干しする
2.内皮を細く裂いたものを撚って糸にしていく
3.織る
4.完成
二風谷アットゥシは特に糸に撚りをかけることが特徴と言われています。水に強く通気性に優れ、天然繊維としては類希な強靱さと独特な風合いがあり、着物や半纏、帯等に使用されます。百年以上前に使用されていた道具とほぼ同様の道具で現在も作られています。
作家紹介
貝澤 徹(かいざわとおる)
二風谷に生まれ、工芸家の父・勉やその仲間の職人たちに囲まれて育つ。 曾祖父の貝澤ウトレントクは、明治時代に名工といわれたひとり。その曾祖父から引き継ぐ伝統を重視しながら、そこに独自の感性と技術をとけ込ませた独創的なアイヌアートに精力的に取り組んでいる。代表作"UKOUKU(ウコウク)/輪唱"は、昔のアイヌ民族の入れ墨をした女性の手の写真から発想し、世代交代しながら文化が受け継がれるというメッセージをこめて創り上げた。北海道アイヌ伝統工芸展北海道知事賞ほか受賞歴多数。
藤谷るみ子(ふじやるみこ)
アットゥシ織の技術伝承者。子どもの頃は二風谷のどの家庭でも織られていたため、藤谷も母親の糸づくりを幼少の頃から手伝っていた。中学3年のときに入院中の母親の代わりに織ったのをきっかけに本格的に機織りを始める。アイヌ文様などについては、萱野茂氏の妻・れい子氏の指導を受けた。1967年、木彫り職人の藤谷憲幸氏と結婚。2007年、憲幸氏他界後も二風谷で職業訓練指導員(織り布科)として後進の指導に力を注いでいる。北海道アイヌ伝統工芸展北海道ウタリ協会理事長賞など受賞歴多数。
台付きの飾り。木製の組み立て式です(2つの板の溝同士をかませるだけ)。
羽子板本体との配色にもこだわり制作しました。※飾り台は二風谷産ではありません。
年を追うごとに変化していく木地の風合いも魅力のひとつ。お子さまの成長とともにどうぞ二風谷アイヌの伝統工芸品で末永くお正月飾りをお楽しみください。
ご注意
■本製品は、天然木使用のため、多少の傷や、木目生地・色合い等が多少異なる場合があります。
■本製品は、摩擦する部分・湿度の高い箇所への使用はお避け下さい。
商品詳細
作者・工房 | 二風谷民芸組合(貝澤徹・藤谷るみ子) |
生産地 | 北海道 |
サイズ | ■飾り台有:間口18 × 奥行15 × 高さ38 cm ■飾り台無:間口12 × 奥行1.5 × 高さ31.5 cm |
本体仕様 | ■板:木製(シナノキ) ■飾り台:木製はめこみ式 |
注意事項 | ■手作りのためサイズや形状、色合いが各々多少異なります。 ■ご使用のモニターにより、実際の色と異なって見える場合がございます。 |
作者・工房について