雛人形 / 清水久遊 / 無垢雛 唐紅(韓紅)




探していたのはこのかたち
大人になっても楽しめるひなまつりを
ひなまつり(雛人形)は女の子のためのもの。とはいえ巷に溢れる"可愛すぎる雛人形"はどこかしっくりこなくて…。人形選びにそんな悩みを抱えているご家庭(お母さん)実は意外と多いです。
そんなみなさまの悩みを払拭し、一瞬で心をわしづかみにしてしまうほど魅力的な雛人形をご存知ですか?数ある雛人形のなかでも一際異彩を放ち、業界関係者をも驚かせる巧みな色づかいと造形美。女流雛人形作家の第一人者、清水久遊がてがける"無垢雛 唐紅(韓紅)"のご紹介です。
上品で優美な造形美







久遊がつくる雛人形の特徴として、360度どこから眺めても美しく感じられるよう計算されてつくりあげた"造形美"があげられます。とくに女雛においては本物の雰囲気にできる限り近づけることを狙い、正面からは見えない十二単(じゅうにひとえ)の後ろ姿にまで手間暇かけた着付けを行っています。現在ではさまざまな作り手がこのシルエットを採用していますが、これは工房創業当初(約30年前)に考案したひいな独自のスタイルです。
女性の感性が生みだす色彩美
女雛の衣装は唐衣・表着・打衣・五衣・単衣・長袴・裳にいたるまで、すべて日本の伝統色「韓紅 / からくれない」色に統一。同色ながらも各部位の素材、織、文様を変えることにより奥行きのある味わい深い仕上がりとなっています。
対する男雛の衣装は「銀鼠 / ぎんねず」色に統一。差し色に韓紅を選び女雛との調和を図るところも、人形師 久遊の洗練された美意識を感じさせてくれます。
またその色彩をより一層美しくみせるため、全体的にボリュームを抑えたシルエットに十二単を着付けているのもまた久遊作品の特徴の一つといってよいでしょう。
衣装へのこだわり


衣装(唐衣)の織柄は "雲立涌(くもたてわく)"とよばれる古典柄。雲立涌柄は有職文様(※1)のひとつで、雲気(水蒸気)が立ち昇るさまを図案化したものです。雲気上昇から転じて"運気上昇"の願いが込められた吉祥紋様とされています。
(※1)有職 / ゆうしょく・ゆうそく
平安時代より公家の邸宅の内部・調度品・服飾品などの装飾に使われていた文様で、幾何学的な柄が繰り返し紋様になっているのが特徴。見た目の派手さはなくも精緻な模様を織り出しているため上品さがあり、 時代に流されない普遍的な美しさを兼ね備える完成されたデザインともいえるでしょう。
お顔だち




ふくよかにして切れ長の目。流行に左右されない普遍的な美しさのお顔です。髪の生え際や眉、口元はもちろんのこと、深く切れ込みを入れた目元の奥に見える瞳まで、その全てが手描きで表現されています。
何本もの筆を器用に使い分け描かれる面相は、熟練した職人の技の見せ所。緻密な手仕事が工芸品としての価値や品格をさらに高めてくれています。
主張しすぎず主張して、主役をより美しく
人形をより美しく際立たせるために存在する周辺のお道具類。なかでも屏風や飾台は、全体のイメージを左右するほど重要な役割を担っています。
「主役の存在感を損なわずして、より魅力的な空間を演出するためのものづくりを」
そんなテーマと向き合いながら、職人は日々絵柄の構図や配色、そして質感に至るまで試行錯誤を繰り返し、卓越した技術をもって美しい製品をつくり続けています。

人形本体に注目が集まるよう限りなくシンプルな構成。とはいえこだわりは随所に光ります。
無地の木製黒塗屏風は控えめながらも"鏡面仕上げ"にすることで、正面からは見えない人形の後ろ姿が屏風に映り込むという演出を図っています。

木製の飾台は洗練された薄型仕上げに。セパレートタイプなので収納時にはコンパクトになるのも嬉しいポイント。

照明器具は電池式のLEDコードレスあんどん。本体には"ワーロン紙"を使用。和紙よりも強度があり、破れたり折れたりしにくい素材となっています。
違いのわかる方にこそ、ぜひお選びいただきたい雛人形


量産品とは一線を画す美術工芸品の味わいを持ち合わせた清水久遊の雛人形。大人目線で選ぶ飽きのこない上質な逸品は、お子さまが健やかに成長し大人になっても尚、季節の室礼として飾りたくなるのではないでしょうか。
末永くご家族みんなが笑顔になれる、そんな素敵なひなまつりをぜひ本品とともにお楽しみ下さい。
商品詳細
作者・工房 | 清水久遊 |
生産地 | 愛知県 |
サイズ | 間口75 × 奥行40 × 高さ26 cm |
本体仕様 | ■正絹(有職雲立湧) ■木手 |
屏風 | 四曲黒塗木製屏風 |
飾台 | 木製黒塗平台(セパレート型) |
飾り道具 | ― |
花類 | ― |
雪洞 | LEDコードレスあんどん(テスト電池付) ワーロン紙仕様 |
付属品 | ■お手入れセット(毛バタキ・手袋・クロス) ■被布着 ■作者立札 ■人形収納用桐箱 |
注意事項 | ■手作りのためサイズや形状、色合いが各々多少異なります。 ■ご使用のモニターにより、実際の色と異なって見える場合がございます。 |
作者・工房について