特別企画|アイヌからのおくりもの(二風谷イタ・アットゥ羽子板)

アイヌからの贈り物(羽子板)

自然の恵みとアイヌの文化から生まれた "北海道初の伝統工芸品"


アイヌからの贈り物(羽子板)

北海道沙流郡に位置する平取町二風谷(びらとりちょうにぶたに)。アイヌ文化発祥の地であり、今なおその生活様式や精神性が色濃く残る二風谷はアイヌ語で"ニプタイ(=木の生い茂るところ)"を意味し、その言葉が地名の由来となっています。


アイヌの人口密度が道内一と言われるこの地は、四季折々の表情をみせる山々や付近を流れる沙流川などの豊かな自然に囲まれており、古くから暮らしの道具や祭礼品を身近なものから作り出してきました。


アイヌからの贈り物(羽子板)

雄大な自然が広がる二風谷の風景。新千歳空港から車で約1時間。アイヌの暮らしと文化は、この環境とともに育まれてきました。

アイヌからの贈り物(羽子板)

アイヌ文化伝承を目的に復元されている"チセ(家)"がいくつも存在。チセを建てる前後にはアイヌ独特の儀礼が行われていたそうです。


アイヌからの贈り物(羽子板)

街を散策すれば、いたるところにアイヌ文様をほどこした創作品に出会うことができます。

アイヌからの贈り物(羽子板)

平取町立二風谷アイヌ文化博物館。アイヌ文化を正しく受け継ぎ、後世へと伝えていくことを目的とし平成4年に開館。人間・神・自然(大地)が一体となり営まれるアイヌの暮らしと文化をそれぞれの側面から伝えています。



その伝統技術・技法は代々大切に伝えられており、二風谷で制作される"イタ(お盆)"と"アットゥ(反物)"は、2013年に北海道では初めてとなる経済産業省指定 伝統工芸品に認定されました。



二風谷イタ


イタとはアイヌの人々が使う木製のお盆のこと。"モレウノカ(渦巻の形)"や"ラムラムノカ(ウロコの形)"などのアイヌ文様が特徴で、使う方の健康を祈りひとつひとつ真心を込めて手彫りされています。


繊細な手作業につき、制作は数日がかりということも決して珍しくありません。この他の地域に類を見ない独創性と神秘性が現代も人々を魅了する所以でもあるのです。



二風谷アットゥ


アットゥとはアイヌの人々が使う反物のこと。冬場に氷点下20℃以下まで冷え込む厳しい環境を生き抜くためにアイヌ人が考え出した反物で、オヒョウ等の樹皮の内皮から作った糸を用いて機織してつくられます。


二風谷アットゥは特に糸に撚りをかけることが特徴と言われています。水に強く通気性に優れ、天然繊維としては類希な強靱さと独特な風合いがあり、着物や半纏、帯等に使用されます。百年以上前に使用されていた道具とほぼ同様の道具で現在も作られています。



"歴史上初" アイヌ文化 と 節句文化の融合


私たちがアイヌの伝統技術・技法を用いて節句品(羽子板)を制作しようとしたのは、その作品の美しさを北海道のみならず、全国的に観賞の対象として成立している節句品に落とし込むことで、より多くの人たちにこの工芸品の美しさに気づき、触れ、感じてもらいたいと考えたからです。


またアイヌ文様の本質が"身体の中に侵入しようとする悪い霊から身を守る"との意味があることから、わが子の健やかな成長と幸せを願う節句品の本質と同じである点も見逃せません。北海道で生まれたアイヌ文化と、おもに京都を中心とする関西方面から誕生した節句文化。文化発祥の地は異なれど、制作思考がシンクロする両者が融合すれば、従来の節句品以上に特別なメッセージが感じられるのではないでしょうか。


年を追うごとに変化していく使って木地の風合いも魅力のひとつ。お子さまの成長とともにどうぞ二風谷アイヌの伝統工芸品で末永くお正月飾りをお楽しみください。



アイヌからの贈り物(羽子板)



アイヌからの贈り物(羽子板)


貝澤 守(かいざわまもる)


幼少時代より木彫職人であった父・守幸の彫刻を見て育つ。21歳から工芸作品を作り続け、アイヌ工芸の伝承に努めながら独自の作品づくりに力を注いでいる。


特に"ラムラムノカ(ウロコ模様)"は、ノミを木に対して鋭角に入れることで陰影を出す、繊細で美しい彫り込みが特徴的。2010年に国土緑化推進機構のコンクール"森の伝承・文化部門"で"森の名手・名人"に全国で80人、道内ではただ一人選ばれたアイヌ伝統工芸作家である。

アイヌからの贈り物(羽子板)

貝澤 徹(かいざわとおる)


二風谷に生まれ、工芸家の父・勉やその仲間の職人たちに囲まれて育つ。 曾祖父の貝澤ウトレントクは、明治時代に名工といわれたひとり。その曾祖父から引き継ぐ伝統を重視しながら、そこに独自の感性と技術をとけ込ませた独創的なアイヌアートに精力的に取り組んでいる。


代表作"UKOUKU(ウコウク)/輪唱"は、昔のアイヌ民族の入れ墨をした女性の手の写真から発想し、世代交代しながら文化が受け継がれるというメッセージをこめて創り上げた。北海道アイヌ伝統工芸展北海道知事賞ほか受賞歴多数。

アイヌからの贈り物(羽子板)

尾崎 剛(おざきつよし)


木彫り職人として活躍しオリジナル作品づくりに取り組む一方、地元・二風谷をはじめ日本各地で"チセ"造りの第一人者として熱心に取り組んでいる。二風谷でもチセ造りの技術は長く途絶えたままだったが、アイヌ振興に命をかけて尽くした故・萱野茂氏とともに各地のチセ造りに参加し、技術や知識を体で覚えた。


夢は「二風谷の博物館の敷地にチセを連ね、かつてのにぎわいを取り戻すこと」。ふるさとへの誇りと技術伝承・後輩育成への情熱が活動の源泉になっている。

アイヌからの贈り物(羽子板)



アイヌからの贈り物(羽子板)


貝澤 雪子(かいざわゆきこ)


アットゥ織を半世紀以上にわたり手がけている熟達者。アットゥの染色にはキハダの樹皮やアカネ、クルミなど自然の花々や草木を用いている。染色糸はごわつき織りづらいが「難しい方がやりがいがある」とつねに挑戦を怠らない。織れば織るほどより良いものを作りたくなり、"死ぬまで勉強"が彼女の口癖となっている。


2011年には北海道アイヌ協会より"優秀工芸師"として認定されており受賞歴も多数。アイヌ文化の伝承・保存、後継者の育成にも尽力している。

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藤谷るみ子(ふじやるみこ)


アットゥ織の技術伝承者。子どもの頃は二風谷のどの家庭でも織られていたため、藤谷も母親の糸づくりを幼少の頃から手伝っていた。中学3年のときに入院中の母親の代わりに織ったのをきっかけに本格的に機織りを始める。アイヌ文様などについては、萱野茂氏の妻・れい子氏の指導を受けた。


1967年、木彫り職人の藤谷憲幸氏と結婚。2007年、憲幸氏他界後も二風谷で職業訓練指導員(織り布科)として後進の指導に力を注いでいる。北海道アイヌ伝統工芸展北海道ウタリ協会理事長賞など受賞歴多数。

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大量生産品とは異なるため、生産数もごくわずかとなります。一点一点が手作りとなりますので、世界に一つだけの作品としてお楽しみください。


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